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太秦ライムライトのバニラのレビュー・感想・評価

太秦ライムライト(2013年製作の映画)
3.8
「5万回斬られた男」の異名を持つ福本清三の物語、時代の波に揺れる京都太秦撮影所を舞台に時代劇に情熱を注いできた人々を描く。
ベタだけど凄かった。
主演の香美山清一はモデル本人「切られるアホな人生です」と福本清三、「一生懸命やれば見ていてくれる人がいる」常に謙虚で努力を怠らないからこその言葉だ。
時代劇が減って居場所が失われてながらも、儚くも美しく散る真っ直ぐな生きざまを見せる。
香美山を師匠と慕う伊賀さつき(山本千尋)有名女優に成長し一度は天狗になるのかと思った、頑張っての名演でした。
「新劇オダノブ」関わる人は皆さんワガママ、腹たちますよ舞台裏はこんなもんかな。
昔はバナナがご馳走だった。
萬田久子、小林稔侍、松方弘樹と主役級が脇役で盛り上げてくれる、福本清三の人柄がわかる気がします。
クライマックス立ち回りの演技、人生最期のさばきだと思うと見ていて涙が。
「るろうに剣心」とは一味違う空気、緊張感だ。
仕事としての斬られ役の最期を、誰もが年齢と共に一線を退くことに重ねても泣けた。
高得点。
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