日曜日の夜、息子はポツリと言う。
『お父さん、お休みは、何もない
つまらないお休みで終わっちゃうね。』
土曜日の朝から、息子は気持ち悪いとか
吐きそうと言って、グッタリしていた。
僕は、珍しく妻がいるから、
（グリーンブック）と（スパイダーマン・
スパイダーバース）を観に行こうとする
目論見は呆気なく吹き飛ぶ。
医者に連れていったら胃腸炎だった。
息子は胃腸炎によくなる。
特に3月、４月は要注意なんだ。
症状も落ち着いてきた日曜日の夜。
僕は息子を腕まくらしてお話をしていた。
『でもさ、具合が悪くなっちゃったから、
お父さんもお母さんも、ずっとずっと
一緒にいるじゃん。
（インサイド・ヘッド）だったらさ、
カナシミも確かにいるけど、ヨロコビも
ちゃんといるでしょ？』と僕。
それをキッカケに
（インサイド・ヘッド）の話になる。
4年前、僕のお気に入りになったこの
大傑作を観た後、息子のために
絵本代わりのストーリーブックを
買って帰った。その日から
息子のお気に入りにもなった今作。
アニメーションだから出来た、
アニメーションでしか出来ない
イマジネーション溢れる世界に
僕は泣きそうになる。すごいなぁと。
活字でも実写でも、きっとこの世界を
表現するのは無理なような気がする。
アニメーションだから到達出来た
場所に連れていってもらったと思う。
それは凄いこと。
『お父さん、ビンボンもよかったね。』
と息子。うんうん、そう、僕も息子も
ビンボンを忘れない。忘れるもんか。
