モンデン

インサイド・ヘッドのモンデンのレビュー・感想・評価

インサイド・ヘッド(2015年製作の映画)
3.9
やっぱりピクサーはすごかった。
人の頭の中に存在する感情を、キャラクターにしてアニメーションを作る。
その困難な未知の題材に挑戦したピクサーに拍手を。
全く体験したことのない新しいアニメだった。
最近のピクサーは続編ばかりで置きに行ってる印象があったが、本作で見事に復活。
久方ぶりにピクサーの気合と本気を感じたよ。

ヨロコビ、ビビリ、イカリ、ムカムカ、そしてカナシミ。
ピクサーらしく、各キャラクターの個性が際立っていた。
まさにキャラクター造形のお手本。

思い出のシステムも画期的で面白い。
そこそこ複雑なシステムを視覚的に解りやすく見せるピクサーの職人芸。

CG技術は間違いなく世界のトップ。
カナシミの髪の動きやイマジネーションランドの美術など、感動するほど美しかった。
その分、夢制作スタジオでの悪夢のような映像のオンパレードはトラウマになる人もいるかも...

そして最も優れていると思ったのは、ピクサーの一番の強みである練りに練られた脚本である。
圧倒的にポジションで、自分自身の嫌いなところ、欠点と思っているところまで好きになれる、人間愛に溢れた素晴らしい物語であった。
ヨロコビとカナシミは表裏一体。
二つは切り離せない兄弟のようなモノである。
それを説教臭くならないよう伝えてくれる。
対象年齢は従来のピクサー映画よりも少し高いと思うが、是非とも小さな子供たちに観て、感じて欲しい映画である。

カナシミとは、ヤサシサなのである。

俺にとってのビンボンよ、忘れてしまってごめんよ。
また、会えたらいいなあ。


最後に一つ、本編前にドリカムを流した関係者どもへ...
俺のイカリ、いやこの映画を観た全ての日本人のイカリが噴火してるぞ!!
ふざけんな!!!


2015年7月19日 新宿ピカデリーにて鑑賞
モンデン

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