フミコフ

アーロと少年のフミコフのレビュー・感想・評価

アーロと少年(2015年製作の映画)
3.9
予告で既に泣いてたくらいなので、冒頭隕石が地球に落下しない時点で泣いてました(もちろんこの時点ではストーリーに感動した訳ではなく単に興奮からでしたが)。
最近のピクサーの中ではかなりシンプルな内容で、キャラクター人気が出るというような作品では無い気がします。
それでも絶滅しなかった恐竜が人間のように生活し喋り、逆に人間が意思の疎通のし辛い獣のように描かれていたのは新鮮でした。

加えてアーロとスポットにはポジティブな友情による絆だけではない、ある暗い繋がりがある点がシンプルな物語でありながらも深みを感じる部分ではないでしょうか。
「アーロと少年」というタイトルからしてこの2人のお話なのは間違いないですが、テーマとしては家族が挙げられているのではないかと思うくらい、正直そちらに心が持っていかれた気がします。

劇場も沢山席が埋まっていた訳ではないのですが、ズビズビ泣く声が至るところから聞こえてきました。
かなりシンプルにデフォルメされたキャラクターデザインとは対照的に表現がいちいちリアルなのでそこに泣いてしまう子供もいるようでした。

この少々残酷でリアルな自然の描写は、今までのピクサーの線引きからはみ出している感じがして、結果的に淡白なストーリーにスパイスを与えることに成功したのではないかと思います。

個人的には前作インサイドヘッドより満足度高め。
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