曇天

007 スペクターの曇天のレビュー・感想・評価

007 スペクター(2015年製作の映画)
3.5
最早007では細かいリアリティや脚本的な合理性を排して、荒唐無稽で華麗なスパイアクションを撮るんだという方向に開き直ったみたい。

情報の集積がテーマだけどその描き方がえらく前時代的。テロ組織が政府や諜報機関の動きを把握してたら凄くね⁉︎という安い発想で展開。バチカンの秘密の会議室で各々悪巧みの報告会、ホコリひとつなさそうな地下のオペレーション室で情報収集してたり、ボンドを痛めつけるのに今時ロボトミーて。
MI6も情報化の波が来て00部門解散の危機だが、ボンドは地道に足で稼ぐ諜報活動で敵を追い詰めて存在意義を証明していく。クレイグボンドは荒々しくスピーディー、でも動きが止まればビシッと紳士なボンドに戻る、切り替えがキレイ。
そんな彼を彩るように舞台設定も津々浦々。今回は特に廻る土地選びがその目的に適っている気がした。鍵となる女性を安全な山奥からアフリカの雑多なリゾートに引きずり下ろしてきたり。
クレイグ的ストップ&ゴーで魅せ、あとはボンドらしい古風な装飾で飾っていく。そんな感じでギミックの面白さに欠けるがまあ一定に楽しめる。満を持してのモニカベルッチがボンドガール⁉︎というフェイントもある種サプライズだった。配役で言えばヴォルデモート対モリアーティが見れるし、敵はナチスの将校だしどこまでもイギリス人贔屓。

クレイグボンド集大成的意味が強いので好きな人は好きだろうな。もしかしたら過去ボンドにも元ネタがあったのかも…という過去シリーズ門外漢にも入門として良いのかな。僕はまだまだカジノロワイヤルが好き。

サムメンデスにもそろそろドラマ映画に戻って欲しいところだし、もういいんじゃない。