MasaichiYaguchi

007 スペクターのMasaichiYaguchiのレビュー・感想・評価

007 スペクター(2015年製作の映画)
4.0
“SPECTRE”というタイトルを見た古くからのシリーズファンは血が騒いだのではないかと思う。
「スペクター」は1971年「007ダイヤモンドは永遠に」以来44年振りであり、そして本作では主人公ジェームズ・ボンドの過去と曰く因縁のある闇の組織として登場する。
映画は巨大なガイコツの山車やそれに扮装した人々で溢れかえるメキシコの祭典「死者の日」で幕開けするが、本作ではこの“死者”が様々な形でストーリーに影を落とし、ボンドを葛藤させ苦しめ、危機に陥らせる。
前作「スカイフォール」でボンドの過去に触れたが、この作品ではさらに深堀して少年時代から今日に至るまで、“殺しのライセンス”を持つ者の宿命とも言うべき死屍累々の人生に彼は向き合うことになる。
このシリーズを一区切りするような、集大成的な本作では、過去のシリーズ作品にオマージュを捧げるようなシークエンスが登場したり、スパイ映画が数々公開された今年を締めくくるような、超弩級の様々なアクションを随所で炸裂させ、ギネスブックに認定される大規模な爆破シーンを盛り込んだりして、シリーズ最長の148分の上映時間を飽きさせない。
映画を華麗にセクシーに彩るボンドガールも、シリーズ最年長のモニカ・ベルッチや、カンヌ国際映画祭パルム・ドールに輝くレア・セドゥと話題に事欠かない。
特に今回、レア・セドゥが演じたマドレーヌ・スワンは自立した女性で、本作でボンドのパートナーという重要な役割を果たす。
死に縁取られた本作の最強最悪の敵と対峙し、対決していったその先にボンドは何を見出していくのか?
“殺しのライセンス”を持つ者として修羅の道を歩んできた彼が最後に執った行動や決断は、我々に温もりと希望を投げ掛ける。