世界のタナカ

007 スペクターの世界のタナカのレビュー・感想・評価

007 スペクター(2015年製作の映画)
4.3
前作『スカイフォール』が無駄を削ぎ落としたクールな洗練によりつくられた新世代のボンド映画だとすれば、今回は荒唐無稽、(いい意味で)バカげた往年のボンド映画の最新アップデート版。スーパーカーは火を吹き、プロペラ機が雪山で暴れまわり、敵の基地では途方もない大爆発がおきる、例のやつ。(全部がわかるわけじゃないけど)そこここに配された引用にも、過去作への作り手の愛と敬意がある。

銃、車、酒、女、といった、とても2015年だとは思えないこのガハハオヤジ感。『スカイフォール』がなかったらもちろん眉をひそめていただろうけど、あっちに振って、こっちに帰ってくるのはありなのだ。『北北西に進路を取れ』を思い出さずにはいられない、列車でのラブシーンの洒落たユーモアにまいってしまう。