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007 スペクターのEpiのレビュー・感想・評価

007 スペクター(2015年製作の映画)
3.0
映画はどれだけ壮大なウソを楽しめるかも大事なエンターテインメント。

それはわかってるんだけど、最近の世情をみちゃうと、"世界を股にかける"とか"闇の秘密結社"だとか言われちゃうと、「ケッ!なんつーお気楽…中二じゃあるめえし」と思うことも少なくない。
いや、それを言っちゃオシマイ、ってこともあるんだろうけどね。

「スパイ映画」ジャンルに対しては特にそういう想いも強い。徹底的なカリカチュアか大いなる皮肉だったらまだわかるが…最近納得して観れたのは「裏切りのサーカス」と「スカイフォール」。(「イコライザー」も変種かな)

前者は、複雑に入り組んだ敵味方が混在する騙し・騙されの冷戦時人間ドラマをリアリティ十分の濃厚さで描いた作品だし、後者は、ダニエル・クレイグという稀有な肉体を使いながら描く神話にまで昇華できるような母を巡る子の相克の話。

個人的には、やっぱ、「スカイフォール」は特別。
サム・メンデス節とロジャー・ディーキンスの撮影・色彩が、ダニエル・クレイグをはじめとしたキャラにぴたり、とハマっていた。

今回は、スペクター首領の登場とか…おお!というところ随所になくはないのだけれど…前作の「母と子」ネタを薄くして「義兄弟?」とか過去作へのオマージュを無理やり入れ込んだ感が強い。
そして、なにより。
007シリーズにはなくてはならないボンドガールたちとの情事。
ダニエル・クレイグの無骨な筋肉美と眉間の皺は、艶事にはとうてい不向き。今回、多めに盛り込んだラブシーン、フーン、フーン!鼻息ばかり荒く、幕開けが唐突過ぎて、情緒というか艶めいた雰囲気が全くなかった。

フェチ的には。
モニカベルッチのヒール姿を見られたことは眼福。
レア・セドゥの二の腕の太さが気になってワンピース姿を堪能できず。
ダニエル・クレイグのスーツ姿はやっぱ、いい。
でもって、Q役のベン・ウィショーのベスト姿、ぐっときました。
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