もけ

007 スペクターのもけのネタバレレビュー・内容・結末

007 スペクター(2015年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

ファン歴2週間のスターウォーズは「あー、あのシーンね、予習しといてよかった」だったのが、ファン歴15年のボンドはmgmからガンバレル、画面に大量のサメディ、タイトルクレジットが終わるまでずっと泣いていた。
これが思い出補正か。

スターウォーズにセルフオマージュばかりでオリジナリティがないと騒いでた自分を反省。
セルフオマージュ最高です。

Qが前作よりQっぽい。
でもどうしても「オタコン!」と呼んでしまう。
タイトルクレジットは伝統的な美女のシルエットをふんだんに使ったスタイルで思い出を刺激された。
でもダニエル・クレイグのムキムキ半裸は笑った。
新しい試みだと思う。

オーベルハウザーの初登場シーンは威厳があってワクワクした。
やっぱりヴィランは威厳があって、ちょっとどうかしていて、ボンドの前では髪の毛振り乱して戦ってけちょんけちょんに負けなければならない。
最後はちゃんと目元に傷ができて素晴らしいファンサービス。
007のヴィランは化け物面してないとパンチが足りない。
クリストフ・ヴァルツのかわいいおじさんだけど凄みがある感じが非常によかった。
最後、ボンドがマドレーヌさんとラブラブなのを見て苦悶の表情を浮かべているところは、リア充爆発しろ感があってよかった。
ただ、ちょっとあっけなかった感じもする。尺が足りなかったか。もっとねっとりボンドを苦しめたり、ボンドもブロフェルドをけちょんけちょんにやっつけてほしかった。
引きづらないで逮捕というのも、次のバトンのためにキレイに畳んだ印象。

一方、Cはとにかくむかつくキャラだった。ムカつかせ担当としていい仕事をした。
トーキョー会議で(ほぼ)全会一致しても、スクリーンの前のオーディエンスはCというポッと出キャラに全会一致でムカついていたと思う。00部門は廃止とか、ボンドは古いとかメタ発言しちゃうのは面白いけど。
最後あっけなく死んでいたが、きっとあれはマロリーさんが怒りのアバダ・ケダブラを放ったからだ。

全体的にボンド映画の基本を抑えつつ、現代風の内容にするというこれまたボンド映画の基本がしっかりしていて素晴らしかった。
最後のアジトとか、いつものアジトっぽくてよかった。あっけなさすぎたけどボンドが強いからしょうがないことにする。

今作で初心者マークが取れたボンドが見れて頼もしかった。
でもまた寿退職か。
辞める辞める詐欺か。
ダニエル・クレイグ卒業を匂わせる、クレイグボンド総集編でもあった。
ちゃんとホワイトを活かそうとするなんて良心的すぎるじゃありませんか。

実はファンになって結構経ってるのに、劇場で観たのは初めてだった。
最高でした。
観てる人が50代くらいの夫婦がほとんどで、ボンドと共に年を重ねた感がなんだかよかった。
ボンドはまだ続いて欲しい。
今のところダニエル・クレイグが一番好きだけど、新ボンドでも構わない。
毎回の興奮をまた味わいたい。
もけ

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