にいにい

マッドマックス 怒りのデス・ロードのにいにいのレビュー・感想・評価

4.0
1回目の衝撃はそう、『セッション』を観に行ったときだった。予告で劇場がざわついた。「何かぶっ飛んだ映画があるらしいぞ…」

それから1ヶ月後、2回目の衝撃がやってきた。どうやらこの前の映画が爆発的にヒットしているらしい…Twitterで嫌でも目にする『マッドマックス』の名前。あの映画ファンの間の祭りの空気は正直言って苦手だが、あそこまで熱狂的なリピーターを生んだのだ。無視はできないだろう。

3回目の衝撃は昨日ブルーレイを再生し始めたらすぐにやってきた。「この映画はやばい」

本編同様、言葉で語るのは野暮に感じるし観終わったテンションそのままに「V8!! V8!! V8!!」言うてたいが、もう祭りも終わり。テンションMAXのレビューも逆に興ざめか。

この映画、まず何と言っても監督のジョージ・ミラーが頭おかしい(褒め言葉)。初代『マッドマックス』を撮影してから35年が経過している。そこから狂気を失わずに極上のマッドネス映画を撮れるのだから。この映画、常にテンションMAXで頭ぶっとんでるのは間違いないが、決して雑じゃない。メイキング映像を見ると分かるのだが、車やキャラクターは勿論、壁画やハンドル、1つの爆発シーンまでとにかくディティールに拘りまくっている。制作陣がこの映画を成り立たせる為に情熱を注ぎまくっているのがよく分かる。

また、主演のトム・ハーディはじめキャスト陣がインタビューで言っていたのがスタントが凄すぎたということだ。本作でも一際異彩を放っていた棒で車に飛び乗る兵士達だが、彼らは1ヶ月以上毎日棒でブラブラしていたとのこと。トム・ハーディが「あいつら凄すぎwww」と笑ってた。

台詞がほぼなく、表情や行動で演じるしかない役者陣も素晴らしかった。作品が持つ世界観を全員が共有し、過酷な撮影環境下で最高のパフォーマンスを発揮していた。

これだけぶっ飛んだ作品でありながらコアな映画ファンのみならず一般人にも受けたのは狂気という一本の大きな筋だけでなく、それを固めるディティールもしっかりしていたからではないか。制作陣の情熱にキャストやスタントがしっかりと応え、そこに狂気が生まれた。そしてこの狂気は我々観客にも伝染する。狂信的に何回も劇場に足を運ぶ観客たちはさながらイモータン・ジョーを絶対的存在として信仰し命を捧げるウォー・ボーイズだ。何度も劇場で観たくなる中毒性がそこにはある。なるほど、これは祭りが起きるな(自分がそうなるかは別として)

※メイキング映像も素晴らしいので是非。