きまぐれ熊

マッドマックス 怒りのデス・ロードのきまぐれ熊のレビュー・感想・評価

4.3
大枠の構造が「行きて帰りし物語」だからきっと古典からの引用がいっぱいあるんだろうけど分かんねーのでアクション映画として見た感想を言うと、

控えめに言って最高

みたいな


どことなく神話モチーフっぽいのはクライマックスで感じた
今時こんなに見事に行って帰るだけの話ないもんな

色々評価されてる点はあるみたいだけど、個人的にはあの手この手で2時間持たせる工夫が楽しくて感心したなぁ
砂漠でひたすら走るトレーラー追っかけるだけの映画だからね、映像的ハードルは高いよ

中でも1番グッときたのはトレーラー、ウォー・タンクの構造
ひたすら2時間コレに乗って爆走する話なので当然ずっと写ってる主役とも言える存在なんだけど、
ギリあり得そうな複雑さを持たせた構造になってて、色んな箇所から登場人物が顔を出すんだよね
こんなに狭い舞台装置なのに似たようなカットが連続しなくて映像に飽きがこないってやべーよ

もちろん谷とか沼地とか辛うじてチープさが出ない範囲で砂漠のロケーションの起伏も用意されてるけどやっぱトレーラーよ


あとは敵キャラとか乗り物の見事なバリエーションとかデザインセンス
もはや1つのジャンルとして確立された強度を感じるし、あらゆるオブジェクトの統一感が凄い


キャラで言えばニュクスが好きかな
応援したいとか共感するって視点ではなく、「人間って面白!!」枠として
話を展開させる推進剤として面白い立ち回り方だなぁって


各キャラクターについて真面目に見ちゃうとイモータンジョー言うて悪かな?とか思っちゃうし、世が世なら女性の扱いも子産み女って言葉が悪いだけでまあそうなるだろうし、
資源が詰んでる世界において宗教でまとめ上げるのはむしろ最善手やろうしで、
イモータンジョーぶっ倒した後のシタデルのラストシーンに不安しか感じなかったのよね〜
実際、あの状況を本質的に打開するなら研究者の役割を持ったキャラが居ないとどうしようもないはず
ところが本編は敵味方共に破壊者しかおらんというね

だから示唆的な創作神話として捉えるのが逆に素直な見方なのかな〜
と思う

まあそんな小難しい事考えなくてもとりあえずアクション映画として観れば最高なんだぜ
このシチュエーションでアクションゲーやFPSをやれたらめちゃ楽しいだろうな〜
いや絶対楽しいよ
きまぐれ熊

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