しゆ

マッドマックス 怒りのデス・ロードのしゆのレビュー・感想・評価

3.8
『マッドマックス』シリーズ3作目。前作『サンダードーム』以来27年ぶりの新作。このために1と2を観た。
うーん面白い方だけどクオリティの割に過大評価な気もした。その理由はストーリー面で説明不足の箇所が多い点にある。劇中のセリフである程度は推測できるけど、イモータン・ジョーの背景やウォーボーイズが衰弱してる理由などは語られず、前日譚コミック『Mad Max Fury Road Nux and Immortan Joe』を前提としている部分が多々ある。読まなくても本作は観られるけど、あるなしじゃキャラの深みが全然違う(自分も概要をさらっと読んだだけでも色んな発見があった)ので一本で完結した作りのが親切だなぁと思った。マックスの幻覚も回収されないまま終わったし。2時間に収まりきらない壮大なストーリーといえばその通りだけど、ディレクターズ・カット版なんかで収録しておけば良かったのに。4DXや3Dとまで言わなくとも劇場で観ていれば''行って帰るだけ''のストーリーの単純さがアクションに押されてスコアはもっと高かったかも。
対して好印象だったのはさらにスケールアップした大迫力のCGやアクションのほか、血液袋やドクロの意匠がされたハンドル、口にまぶすシルバースプレーや炎ギター(物理)、車上を飛び移るための長竿など。これら小道具類が荒廃・殺伐とした独特の世界観を補強するようでいい味を出してた。あとワイブスたちがみんな綺麗。ラストはまたしてもマックスが独りで放浪の旅に出ることを示唆する形になったけど、やっぱり哀愁があって好き。
『マッドマックス』で暴走族のリーダーを演じていたヒュー・キース・バーンが本作の敵ボスのイモータン・ジョーを演じてるのに感慨深いものがある。
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