しぇんみん

マッドマックス 怒りのデス・ロードのしぇんみんのレビュー・感想・評価

3.8
世界が崩壊した近未来。

核戦争により地球は放射能に汚染され、人類の生活環境は悪化してしまった。

妻子をなくし、愛車インターセプターで荒野を流離う、元警官マックス。

彼は一瞬の気の緩みから暴漢たちに捕らえられ、愛車とともに見知らぬ土地へ連れ去られる。

そこは「イモータン・ジョー」が圧制を敷くシタデル砦。

イモータンは砦の水を牛耳ることで民を支配していたが、砦の石油燃料の枯渇に伴い他の集落との取引が必要だった。

巨大タンカートレーラー「ウォー・リグ」と、片腕が義肢の石油輸送隊の女隊長フュリオサ。

いつも通り彼女は取引に出発するが、実は彼女には企みがあった。

それは「子産み女」として囲われるイモータンの若妻5人を開放し、東の緑の地を目指して逃亡することだった。

造反に気付いたイモータンは追跡隊を展開し、その追跡車両の1台にマックスも「輸血袋」として繋がれることとなる。

イモータンの尖兵として洗脳された「ウォーボーイズ」たちに血液を供給するために。

だが偶然にも「輸血袋」から逃れることに成功したマックスは、フュリオサに協力し、彼女らを逃がす手助けをすることとなる...。

物語は至ってシンプルな、全編ハイテンションのカーアクション作品。

その見どころは、まさに迫真のカースタントだろう。

また、逃走するタンクローリーや、追撃するヤマアラシカーなど、その役割や装備など、見た目にも楽しいバラエティ豊富な車の登場で、否が応にも興奮せざるを得ない。

「ウォーボーイズ」の「名誉」にも細かい設定があり、アクションにスパイスを利かせている。

最終的には砦に平和がもたらされるが、マックス本人には平穏に暮らせる術もない。

開放され明るく開かれたと同時に、昏く閉ざされた人類の行末を感じさせるラストは、非常に好みだった。

ハナマル!

2018/12/17
しぇんみん

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