次男

マッドマックス 怒りのデス・ロードの次男のレビュー・感想・評価

4.5
やっぱり強烈に面白いなあ…!
家で、決して大きくないテレビで観てるのに、大興奮、「ぎゃー!」とか「わー!」とか、なんとかかんとか、めちゃくちゃ声出たな。

究極にまで研ぎ澄まされた、極上のシンプル。「行って帰ってくるだけ」「台詞はほとんど無い」「生きること死ぬこと」。とことん無骨なのに、極太で特濃!死ぬしかない状況なのに、生命はそれを許さないで生きようとする。って、すごいなあ。ほんで、その説得力たるや。

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もう画がいちいちリッチすぎて。そして、アクションが面白すぎて!

途方もないくらい作り込まれた世界。キャラクターやビジュアルやガジェットやロール、全部が最高峰なのは言うまでもないけど…「バトルがすべて面白い」って、すごすぎんか?僕、アクション映画ってけっこう苦手で、アクションってこう、ドラマから切り離されて、「戦ってる」ってだけになること多いやん、だから、「とりあえず勝つか負けるか結果だけ教えて」って思ったりしちゃうんだけど、そんな僕をして、「アクションの『最中』が面白い!」って思わされた。こんなんけっこう経験無い!

細部まで作り込まれた設定が、戦い方に滲み出てて、だから「とりあえずAとBが戦うのね」じゃなくて、「AとBがどう戦うか」がドラマになってる。作り込まれてるからこそ、楽しい。すごい!

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マックスとフュリオサの疎通に言葉がいらなかったこと。すごい。ニュークスがフュリオサ側についたことに説明がいらないこと。すごい。言葉なくしてドラマを作っていること、本当にすごい。

ああ、本当に面白かったなあ。どうやって撮ってるんだろう?どこで撮影日跨いでるんだろう?何日?いくら?どこまで実写?いろんなことは頭巡っちゃうし、あまりに凄すぎてもはや虚しくもなるけど、本当に本当に楽しかった。

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(2015年7月28日、上映当時、劇場で観たときは、ぜんぜん乗れなかった。よく覚えてる。立川の映画館の、爆音上映。周りの評判がすごくて、観てないことそれ自体に変に焦って、稀代の名作をあ見逃すわけにはいかなくて。ようやく仕事が一段落したときに、乗り遅れないことだけを考えて観に行った。体調もよくなかったし、静かな映画の気分だったのに。狭い座席で、すごく無理をして、結果楽しめなかった。よくない思い出になってしまった。こんなに面白い映画なのに!でも、映画なんてそんなもんだと思う。そんくらいのことで良し悪しが左右されるもんだよなあ。所詮。そもそも映画なんて別に観なくていいし、観たいから観るだけだし、絶対に全部の映画は観られないし、観たいものでさえぜんぶ観られないし、てか観ない映画があっていいし、面白いかもしれないし面白くないかもしれない。たかが映画。だけど出会えたものは映画様。いろいろな本来性を、ゆめゆめ忘れないようにしたいですね。)
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