ヤッスン

バイオハザード:ザ・ファイナルのヤッスンのネタバレレビュー・内容・結末

2.6

このレビューはネタバレを含みます

まずシリーズにおける長所といえば、作品ごとに場所や衣装、クリーチャー等を変え、テイストの異なる華麗なアクションであろう。
物語うんぬんは二の次で構わない。
少なくとも個人的にはそう感じており、今回もラストならばラストなりの結末とアクションを見せてくれれば良いと思っていた。

結果、確かに今までになかったテイストのアクションにはなっていた。
やたらと揺れるカメラ、チャカチャカすぐに切り替わるカットで、対人アクション多めに作品が構成されていた。
結果、本当に何が起きているか分からない頭を抱える映像に仕上がっている。後半ラクーンシティーに到着してからはずっと夜で画面も暗く、誰がどう戦っていていつ死んだのかさえ分かりにくい。
日本ではフィーチャーされているローラも特に見せ場もないまま気付いたら死んでいた。残念きわまりない。
また、本作に求められているアクションといえば、対人アクションよりも華麗にアンデッドを倒していくアリスたちだろう。最後の最後に人同士でのアクションシーンばかりというのもガッカリ。

また物語について。先に書いたように物語には特に期待しなかったものの、あの前作の引きでこの始まりというのも悲しい。これからワシントンで、ゲームキャラと共に戦うことが期待されたラストだったのに、すでにそれは終わり、どうやらウェスカーに裏切られ、他のメンバーは全滅している……
その展開も如何なものかとは思うが、「そこを見せろよ!!!!」と。もはや前作など存在意義すら感じないかのようななおざりな扱いに怒りを覚えた。

ただ今回ラストのくだりは個人的には良く感じた。
実はオリジナルではなかった主人公のアリス、プログラムである若きアリシア、病により年老いたような今の彼女。
3人のアリスの想いが重なり、見事アイザックスを倒し、抗ウイルス薬を撒く。これに至る布石が少々弱かったのが残念ではあるものの、一斉にアンデッド軍団が波打つように倒れていく場面は爽快で(ここで朝日がさしはじめる等の演出があればもっと良かったのに!)、毎回お馴染みの「私はアリス」の台詞の重みが変わったラストも良い(いつもは引いて終わるのに今回は目にアップして終わるのも最後らしくて良い!)。

中盤までが物語もアクションも残念すぎてラストが良作に錯覚してしまった感は否めない。
個人的に、最後の最後にロクにアンデッドとアクションせずに、それもとても見づらい映像になったという事実には非常に憤りを感じている。
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