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思い出のマーニーのodyssのレビュー・感想・評価

思い出のマーニー(2014年製作の映画)
4.0
【ジブリ健在】

鑑賞して、ジブリは健在だな、という気持ちを強くしました。

孤独な少女が、病気の療養をかねて親戚の住む道東で夏休みを過ごす。その一夏の物語が、現実と幻想をたくみに交えながら描かれています。

私もむかし道東に旅をして、その美しい景色に息を呑むような気持ちになったことがありますが、英国の児童文学が原作ながら、日本に移し替えたこのアニメには特に違和感も感じませんでした。そもそも、ジブリアニメは従来も糞リアリズム的な意味で国籍に縛られた作品を作ってきたわけではありませんし。

少女が自分のアイデンティティを見つけ出すまでの物語は、或る意味で現代風でもある。ジブリらしい背景の描き込みも含めて、それなりに良く出来ていると思いました。

ただ、ちょっとひっかかるところが二箇所ほど。
一つは、ヒロインが太った少女に悪口を浴びせるところ。あそこ、どうかなと首をひねりましたね。周囲に溶け込めないというだけなら分かりますけど、あそこで相手にいきなりああいう悪口を言うまでには、もう少し何かが必要な気がします。でないと、ヒロインはきわめて性格が悪いという結論になってしまいそう。

もう一つは・・・ネタバレになりそうなので、ここでは省きます。

しかし、全体として見て、悪くないアニメですので、80点ということで。
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