ジブリ歴代作品へのオマージュがふんだんに見受けられて、「あ、ここも。ここも」と探しながら観るのが楽しかったです。
しかし現実と不思議の狭間を行き来する杏奈が危うい。
自覚があるのか無いのかも微妙で、観ているこちらとしては割と最後まで不安な思いでした。
むしろちょっと怖いくらい。
「何故私を置いて行ったの」という問いはずっと前から彼女が抱えて来たもので。
他人を疑い恨む人は自分の事も信じてあげられないし、他人を許せない人は自分の事も許してあげられない。
マーニーとの出会いを通して、杏奈は何かを得て成長し、心を身軽にして帰って行きます。
この辺は身につまされる思いでした。
謎は謎のまま最終的に力技で丸め込んでくるような、近頃のジブリにありがちな得意技もほんのちょっとだけ感じつつも、オチがしっかりしていたので比較的良い印象で観終える事が出来ました。