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ポール・ヴァーホーヴェン トリックの教授のレビュー・感想・評価

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ハイテ・ヤンセンの美貌とビッチさに脳髄がやられる。

というわけで4分間のイントロダクションから一般公募のシナリオを繋ぎまくって破綻して、「前人未踏の挑戦だ!」とばかりに息巻いてみたが、結果、どうにもならず付け焼き刃とヤケクソになって作り上げた腐ってもヴァーホーヴェン映画。

ストーリーに中身があるのかないのかはさっぱりわからないし、一本の映画として作るべき価値とか、問うべきテーマとか関係なく、単に「エモい」と感じたヴァーホーヴェンの衝動、よりもむしろ、災い転じて福と為す(厳密は福にはなってない)職人っぷりに脱帽する。

ヴァーホーヴェン監督の映画にはしばしば「過激さ」を論じられるが、実はそんな過激さ以上に手堅く高度な演出力にこそ、非凡な過激さがあるのだとわからせてくれる。
つまり表層的に過激なのではなく、本質的に構造に裏打ちされた過激さが、突出している、ということなのだと思う。
だかるこそ、本作のような作品でも、ある種の抜群の構成、のみで物語を成立させ、その物語にある種のヒネリやドライブ感を高めるために表現の過激さが用いられてる為、つまりはそれらも「演出のうち」として周到に作られていることがよりわかるようになっている。
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