Aya

ハーフネルソンのAyaのレビュー・感想・評価

ハーフネルソン(2006年製作の映画)
3.6
12歳の自分の生徒に向かって「Bit◯h」と言い放つ大人気ないゴズリンが観れる映画ですw

2006年北米公開、ゴズリンが撮影当時24、5歳だったのにオスカーノミネートされた幻の作品。
11年後の今年ようやく日本語で見れるように。
すげえ観たかったんだよ!

ゴズリン演じる歴史教師は新しく中学校へ赴任してくる。生徒は黒人ばかりのクラス。独自の観点から歴史上で起こったマジョリティとマイノリティの戦いについておさしえてゆく。

しかし彼はある問題を抱えていた。
コカインである。一時期更生施設に入っていたものの、今でも現役のジャンキー。
しかも自身がコーチをしているバスケ部の生徒、グレイに知られてしまう。

グレイは救命士として忙しく働く母、刑務所にいる兄、そして兄の友人のアンソニー・マッキーはいい奴であるがバリバリのプッシャー。

ゴズリンはグレイを気にかけ、アンソニー・マッキーには近づくな、と再三にわたって解く。

てかなぜこのタイミング・・・「ララランド」効果か?と思ってみても公開が夏前だったのでしソフト化にしても時期が遅すぎるし、ほんとなぜ・・・としか言いようがない。

てかアンソニー・マッキーって11年経ってもぜんっぜん変わんないね!!それに驚きだわ。
確かにゴズリンも若い。
ボロボロ具合は「ナイスガイズ!」に近いか?

このヤク中教師とプッシャーに引き込まれそうな少女の絆物語。

ほんとゴズリンの芝居が光ってる。
てかゴズリンはキャリアは長いけどまだ38歳だし、元はディズニーチャンネル出身。モルモン教徒で小作から大作、快作とフィルモグラフィーがここまで面白い人も珍しい。
究極の熟女好きであり、ここまで共演女優を食いまくってるのも珍しいw

この人ねぇ、ほんと、可哀想としか言いようがないんだよ。
教師という立場でいながら一番みられたくないところを教え子に見られ、そんな立場にいながら彼女がその世界へ近づくことに過敏にディフェンス。
説得力あるのかないのか・・・。

元恋人や新しい彼女など、あ、いい感じにいくかも・・・と思う時もあるのにいい結果にならない。
ありますよね。
(注:でも実際、ゴズリンに押し倒されて拒否る女の気持ちが全くわかりません)

別になんでも思い通りにしたいとかじゃないけど、少しの幸せもくれないのか!って思う時。
そんな時に酒に走るか、友達に愚痴るか、ドラッグに溺れるか、人それぞれで。

あのモーテルでのシーンは本当に痛々しかった。
しかし、あそこで終わらなかったのは救い。

それは彼女がゴズリンと、アンソニー・マッキーという二大ダメ大人に挟まれた結果、自身で学び、奴ら大人の説得力のないダメダメ説教や一見お前のためにやってやってるんだぜに隠された欲に惑わされず、自分のためを思って決断し、そして自分を気にかけてくれた大人にきちんと優しさを返してあげる非常に大人な姿が印象的でした。

終始抑えめのトーンも好みですね。
ほぼ、役者の演技力頼み、といった感じですがそれが味になってると思う。
Aya

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