れじみ

ハーフネルソンのれじみのレビュー・感想・評価

ハーフネルソン(2006年製作の映画)
3.8
2019年公開予定のブリー・ラーソン主演「キャプテン・マーベル」(MCU)の監督に抜擢されたライアン・フレック、アンナ・ボーデンの06年公開作品。

ドラッグ中毒の教師と黒人の少女。
黒人として生まれ、そしてその環境から抜け出すことの難しさ、教育の重要性を説いているのだが、本作がなかなかに現実的なのは、その教育を施す側の人間でさえヤク中だと言うこと。
ハーフネルソンとはレスリングの首攻めの呼称で、転じてじわじわと闇に堕ちていくことを表していると捉えられるが、まさに教師と少女も光の方へ進んでるかのように見えて、実は気付けば後戻りの出来ないところまで来てしまっている。
掴めそうで掴めない希望と拭えそうで拭えない絶望。
意外にも本作がキャリア唯一のアカデミー賞主演男優賞ノミネートのライアン・ゴズリングだが、ブレイクした「きみに読む物語」の直後の作品だけにまだ初々しさが残っている。

本作とMCUの共通点と言えば、アンソニー・マッキーが出演していることぐらいだが、果たしてケビン・ファイギの先物買いはまたしても成功するのだろうか。
れじみ

れじみ