chiyo

8月の家族たちのchiyoのレビュー・感想・評価

8月の家族たち(2013年製作の映画)
3.0
2014/4/30
バイオレット演じるメリル・ストリープの演技が本当に圧巻。歯に衣着せぬ毒舌っぷり、何でもお見通しな隙のなさ、もうこの人は魔女以外の何者でもないと思う(笑)。が、その反面、本当は寂しいのに素直になれなくて、周りを傷付けてまで虚勢を張っている哀れな老人にも見える。それは、程度の差はあれど彼女の妹と娘たちも同じ。もう少し互いを思い合うだけで良いのに、彼女たちの関係は愛憎の憎が勝りすぎている。そんな家族の不和を、とびっきりの喧嘩と秘密で容赦なく見せつけてくるから、観ているこちらは居心地が悪く、胸に澱が溜まったような感覚に陥る。そんな中、唯一の良心と言えるのが、ネイティブ・アメリカンのジョナ。彼女の存在がなければ、喧嘩だけの煩わしい映画になっていた気がするので、個人的にも救われた。家族はバラバラになってしまったけれど、いつかまた、あの家に集まる気がしたりも。
chiyo

chiyo