みなりんすきー

たまこラブストーリーのみなりんすきーのレビュー・感想・評価

たまこラブストーリー(2014年製作の映画)
4.7
『誰も気づいてないと思うけど 僕はこの幼なじみの女の子に 恋をしてるんだけど…』

『今日はいつでも昨日とは違う だから素晴らしい そして少し寂しい その寂しさが日々を味わい深くする』

『緑ちゃん 私ちゃんとキャッチできる気がする 大会で』

『ねぇみどちゃん 私も 高いとこ登ってみますかね』

『若さとは急ぐこと スプーン1杯の砂糖が溶けるのも待てないくらい 後悔の苦さは何かをした証』


■ あらすじ ■
たまこたちも高校3年生になり進路という問題に直面し始める。思い出作りにフェスティバル参加を決めたバトン部。目標目指して練習を重ねる彼女はある日、もち蔵から東京の大学に進学を決めたと言う話を聞かされて…


■ 感想 ■
『たまこラブストーリー』

アニメたまこまーけっとは全話鑑賞済。
タイトルの通り今回はその後のお話でもち蔵×たまこの恋愛模様がメイン。

もうめっちゃいい。どなたかのレビューで「全瞬間が最高」というのを見たが、まさにその通り。なんだ、この尊さ、眩しさ……京アニって本当に凄い。だからこそあの事件に更に胸が苦しくなるけれど、一旦その思いは封じ込めて全力で作品を楽しませていただきました。

TVアニメシリーズの後日談にあたるわけだけど、正直本編に続けてこちら見ないとたまこまーけっとは完結しないでしょ!というレベルで大切なことを描いている作品です。なんならぐっとくるという意味ではこちらの方が断トツ上。泣きそうになるくらい胸が熱くなるし、いろんな感情を呼び起こされてもう胸がいっぱいになる。
無駄なシーンも1秒もなく、起承転結も素晴らしく綺麗に整えられていて、あっという間に終わってしまったと感じるくらい。

感情の描き方がずば抜けて上手い。機微を表情や視界描写でとても丁寧に繊細に描いていて、見ていて「あー分かる、分かるよ…」の連続。たまこだけでなく、皆の気持ちに共感できて、自然と寄り添えちゃってる自分がいる。特に告白された帰り道の描き方なんて最高。ドキドキして逸る気持ち、ちょっとパニックみたいになって、目に映るもの全部キラキラして見える、あの感じ。分かる人多いんじゃないかな〜。

個人的にみどりちゃんすっごい好きで、見た目も一番好きなのもあるんだけど、あの性格だよねやっぱり。最後なんてもう泣かされそうになった。あれを実際に言って、やってやれる人って現実にどのくらい居るんだろうって。目の前にしたら、いざああいう状況になったら、もっと嫌なことしちゃうんじゃないかな。汚い感情の方が勝って、良くないって分かってても、嫉妬とかに押し負けて、嫌なことしてしまうこともあると思う。だからこそ最後のあれは本当にぐっときた。みどりちゃん、絶対に幸せになってほしい。
彼女に関しては、TVアニメの方ではまだ抑制的(暴走手前くらいのギリギリではあったかもだけど)で、理性の方がギリ勝ってる感じだったけど、今回で結構我が身可愛さが出た行動を見せてくれたのが、逆に良かった。彼女だって完璧じゃないんだ、最後までただ黙って見守ってるだけなわけないだろ!と(笑)でも切ないのが、彼女自身、この想いはきっと伝わらないし伝えてはいけないと分かっているんだろうな、って分かってしまうところだよね・・・本当に切ない。一番辛い恋をしてるのは間違いなく彼女だと思う。だからこそ絶対に!幸せになってねみどりちゃん!!

いつもながらレコード屋のおじさんがいい事言う。何か迷って訪れる人たちへ、いつもそっと道筋を示してくれる。詳しいことは何も聞かない、与えるのは、1杯の温かい飲み物と、レコードの曲だけ。粋だなぁ。

商店街の人たち本当に皆いい人で、あんな環境だったらド田舎だろうが何だろうが楽しそうだなあって思うよね。自分は今東京の喧騒に揉まれて生活を送っているけれど、あんな所があるなら暫くの間暮らしてみたいわ…と思うほど。あの温かい人達がいてくれたから、たまこは純粋に美しく優しい心を持って育ったんだね。

バトン部の本番がすっっごい良くて、流石京アニ様って感じでしっかりぬるぬる動くしもう本当綺麗で、終わった瞬間画面に向かって拍手しちゃったよね。(きもい)
あともち蔵の「常磐〜お前カッパみたいな頭しやがってェ〜!」が凄い好き(笑)みどりめっちゃモテるのに全く眼中にないもち蔵、いいよね。笑

さすがにTVアニメシリーズ見てないとちゃんと楽しめないと思うので、未見で気になってる方はアニメの方から是非。1シーズンだけなのですぐ見終わりますよ〜!