2MO

ヒックとドラゴン 聖地への冒険の2MOのレビュー・感想・評価

3.9
通過儀礼としての喪失と成長の物語を三部作に描き切った見事な着地。傑作シリーズ完結編。

少年が大人になるということは、親となり、子を育てるということは、いつの日か愛の旅立ちを見送るときが訪れるということ。

出会いはいつかの別れを意味し、愛は痛みを伴う世の常で、それでも人は誰かとの繋がりの中で成長することができる。依存とは似て非なる“共存”の社会で、個人と個人が他者性を認め合うことでそれぞれの人生を歩んでいく。それはあらゆる関係性に言える普遍の価値、信頼という名の絆で結ばれた友たちは、きっとどこまでだって飛んでゆける──。

ヨンシー(シガー・ロス)の歌に思い出を乗せて、新たな旅立ちを祝すファンファーレが鳴る。彼らが手にした真の友情と、“飛翔“の軌跡に涙しながら、そのエンドロールを見送るのだった。
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