LalaーMukuーMerry

未来を花束にしてのLalaーMukuーMerryのレビュー・感想・評価

未来を花束にして(2015年製作の映画)
4.0
タイトルからラブストーリーと思ったら大間違い。20世紀始め(1912年)イギリスの女性参政権運動の活動家を描いた作品。原題のSuffragetteは当時の婦人参政権運動の活動家を表す固有名詞。選挙権を獲得するために先人たちのこんな苦しい戦いがあったということに気づけば、今ではあたりまえと思っている選挙もちゃんと投票しなければと感じることでしょう。
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特別高い意識があるわけでもなかった、洗濯工場で働く24才の主人公モード・ワッツ(=キャリー・マリガン)。集会に参加してたまたま代理で発言したことから、活動家たちから仲間と認められ、強い意志もないまま急速に活動にのめり込まされていく。労働運動の活動家よりも更に白い目で見られ、自分の夫にも理解されず、幼い子供たちとも引き離されてしまい・・・
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人々に注目され世論を変えるきっかけになったある事件に至る経緯が描かれます。
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非暴力不服従という今では当たり前の基本コンセプトは、ガンジーが登場する前の1912年にはまだ一般的認識ではなかった。だから彼女たちの政治的活動の中には、今から見るとダメでしょ、と思うような過激な犯罪行為があったことに時代を感じました。
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女性参政権の獲得年 
一行で終わりとなる各々の国でどんなドラマがあったのだろう?
1902 オーストラリア
1913 ノルウェー
1915 デンマーク、アイスランド
1918 イギリス(部分的、財産要件をみたす30歳以上の女性のみ)、ソ連
1919 ドイツ、オランダ、ポーランド、チェコスロバキア
1920 アメリカ、カナダ
1927 ウルグアイ
1928 イギリス(女性普通選挙権)
1931 ポルトガル、スリランカ
1932 スペイン、タイ、ブラジル
1934 トルコ
1945 フランス、イタリア、日本
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