NonCorleone

ラブ&ピースのNonCorleoneのレビュー・感想・評価

ラブ&ピース(2015年製作の映画)
4.5
あまり、というか全然評価されていないし、なんでか分からないけど、僕はこの映画が大好きだ。

初めて見たときは開始5分くらいからで、母がゴロ寝しながら観ていた隣で僕も何となく観ていた。
でも、何となく観ていた僕は気づいたら物凄く集中して観ていた。
そして母は、寝ていた。

暗くてコミュ障な主人公が、作詞作曲という才能を亀のおかげで見出し、認められて、自分の才能に溺れていく。ここまでは別にどうってことない内容。それに+‪αして、トイストーリーっぽい亀のピカドンサイドも描かれる。ここも別にどうってことはないし、なにか深いメッセージが含まれてる訳でもないと思う。
でも園子温だからか、映画としての魅力があちらこちらに散りばめられている。僕はそれを見逃さなかった!
頭から離れない
「ピカドーンお前を忘れない」のフレーズ
前半の長谷川博己の気持ち悪い演技
そしてなんといってもラストのスローバラード、これはズルすぎる。絶対泣いちゃうじゃないか。

この忌野清志郎のスローバラードが流れるラストでは、主人公が彼女を愛する気持ちを、気だるい歩き方から、絶望したような表情から、なぜか感じる。彼は最後、どうなるのだろう。彼女とはどうなるのだろう。全く想像ができないから、ものすごく心に残るんだ。



とにかくとにかく、心を刺激する映画だった。園子温の中で一番好きな映画だ。
こんな映画で感動してしまう僕はまだまだなのだろうか。もしまだまだなら、まだまだでいい。
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