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猿の惑星:新世紀(ライジング)のtetsuのレビュー・感想・評価

4.8
「猿の惑星:聖戦記(グレート・ウォー)」の予習として鑑賞!

知性を持ったエイプ(=類人猿)達の反乱から10年。
人間はエイプの知能を発達させる"猿インフルエンザ"によってほとんどが全滅、数少ない生き残りは彼らの集落で他の生存者を探していた。
一方、反乱を率いたリーダー・シーザーは、エイプ達だけのコミュニティを森に創造、「エイプはエイプを殺さない」という掟の下、手話と口頭会話を使い、高度な文明を発展させていた。
ある日、猿達の集落に侵入した人間がエイプに"銃"で発泡。
それに怒ったシーザー達は、他のエイプ達も引き連れ、人間のコミュニティへと向かう。
人間たちの目的が"電気"であり、森の中にある水力発電施設の復旧だと知ったエイプ達は、今回に限り、人間と協力して作業をすることになるのだが...。

これは、間違いない名作ですね...。
今回の感想を書くにあたり、公開時に書いていた映画日記を開いてみたのですが、
そこには『猿の惑星、史上最高傑作! 創世記(ジェニシス)は大いなる予告編だった!』と書いてありました。笑笑
(この時点では、猿の惑星3作品しか観ておらず、創世記も面白かったのに、なんてことを書いてるんだっ!笑笑)
とはいえ、
その言葉に相応しい作品でもありました!笑

まず、序盤のカットとラストカットの対比が素晴らしい!
どちらも"戦いに挑むシーザー"の顔のアップになっているわけですが、その表情が微妙に違う。
特にラストは、人によって、彼が何を思い、どういう表情をしているのか、という解釈は変わると思いますが、だからこそ、一緒に観た人と語ってほしい名シーンだと思いました。

そして、やはり、脚本の上手さ。
前作と同じ、リック・ジャッファさんとアマンダ・シルヴァーさんが今回も続投しているだけあって(←今回、調べて、初めて名前を知りましたw)、前作で描きれなかったものが見事に補完されていく絶妙さ、そして、地続きの発展した物語が観られるため、シリーズ物映画が好きな自分としては、至福の時間でした!
BDの特典では、製作期間が短く、脚本も撮影も大変だった、と製作者の方が言及していましたが、前作の時から、ある程度、脚本をどうすべきかのヴィジョンは決めてあったのでしょうね...。
短時間でも、素晴らしい脚本があれば名作が生まれるのだなぁ~、と感心しました!
(ぜひ、日本の特撮ヒーロー大集合映画「超スーパーヒーロー大戦」の脚本家さんには、見習っていただきたいたいですね。笑笑)

また、そんな脚本の素晴らしい点として、エイプたちをしっかり描いたことが挙げられるでしょう。
前回は、シーザーと人間に焦点が当てられていたため、エイプ達は名前の登場に留まるキャラクターが多かったですが、今作は、作品内での人間とエイプたちの割合も関係して、しっかりとエイプたちの生活や苦悩、心理描写を描けていたところがよかったです。

前作を観ていると、終盤あたりである驚きがあるのですが、その"あるもの"が登場してからのシーンは劇場鑑賞時、ふと泣いていました。
というわけで、前作を鑑賞していなくても楽しめる作りにはなっていますが、ぜひ、「猿の惑星:創世記(ジェニシス)」を観た上で観ていただきたい作品でした!

最後に、
もうすでに観た方にも、知ってほしいことがありまして、
実は、この映画、前作と今作をつなぐ3つの短編があるんです!
前作から、一年後、五年後、十年後を描いたそれらの作品群は、
それぞれ、映画でキーワードとされる、"猿インフルエンザ"、"電気"、"銃"というものをモチーフにした短編で、「ブレードランナー」の短編ほど、すごい映像ではないのですが、どれも名作になっております!!
ディスク化の際の特典にもならず、YouTubeでも日本語版が挙げられていないこれらの作品ですが、セリフが分からなくとも充分楽しめる作品になっておりますので、是非ご覧になっていただきたいです!!

参考

Dawn of the Planet of the Apes:「猿の惑星」シリーズ第2弾「ドーン・オブ・ザ・プラネット・オブ・ジ・エイプス」のプリクエールとして、前作の結末から人間文明崩壊の終末世界に到るまでの10年間の空白を物語ったシリアスで、クォリティの高い3部作のショート・フィルム!!
https://cia-film.blogspot.jp/2014/07/dawn-of-planet-of-apes2103.html?m=1
(前回も紹介したサイト"CIA☆こちら映画中央情報局です"さんが過去にまとめてくださった記事があるので、是非!!)

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