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猿の惑星:新世紀(ライジング)のAKのレビュー・感想・評価

3.7
 前作『ジェネシス』が革命の映画であるとすれば、革命の後を描く映画がその勢いを失ってしまうのは当然である。熱狂の革命の後に来るのは、冷静さが必要とされる整理の時期であるか、革命の反動としての暴動でしかない。

 「Dawn」つまり「夜明け」と題されたシリーズ第二作は、大傑作第一作と、ポスト・アポカリプス世界の最終戦争が予告されている第三作とを繋ぐ谷間の作品である。そのため物語のダイナミズムはどうしても失われる。異なる種同士の闘争ではなく、同一種族内のルール制定が本作のテーマ。その最大のルールとは

Ape Kill Not Ape(猿は猿を殺さない)

である。これがエイプたちの1にして10の戒律である。ここにアイデンティティの問題系を見るのは容易いし、それは間違いではないのだろう。だとすれば、最後のシーザーとコバの対決は、アイデンティティ主義を超えるものとして読むべきなのか? それとも、むしろ種族の絆を強化するものとして? 答えはわからない。だれか教えて下さい。
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