八木

猿の惑星:新世紀(ライジング)の八木のレビュー・感想・評価

3.6
最新作のために予習した。
「猿が銃を持って人を撃っている」という一文を違和感なく映像にするためには2014年までかかるわけですな。いや、もっと以前からできたのかもしれんけど、一切のギャグ要素を排して人と猿の武器を使った戦争をこの規模の予算で作成したってのは、多分初めてのことでしょう。「あ、見たことない」と思えただけでこの映画を観る価値があるのではないかと思う。あと、冒頭人間と出会うシーン、猿目線を徹底されてたから人間と出会うとみてるこっちもビクっとなるし、いきなり銃を構えられると「頭狂ってんのかこいつら!」てなった。よい演出だと思う。
前作とテイストが変わりながら高い質を保っているのは、エイリアンの1と2みたいだと思った。新世紀では、前述した猿と人間の総力戦の映像の価値に、急に成熟した猿社会で脱落者が発生し、ビターな決断をシーザーが迫られるところが見どころになっています。この映画の猿社会への興味がある程度保てる人でないと、面白さは保証できないかもしれん。争いのきっかけ自体は割と猿側の内紛として描かれており、映画全体を通じて、かなり人間の存在感は薄く味付けられています。コバな助演男優賞にふさわしいいいキャラしてますが、前作の「人間社会に自然に溶け込むCG猿」であるところにありがたみを見出していた僕としては、結構アニメ寄りの暴君コバのようなキャラは、あまり乱発しないでほしいとも思った。同時に、コバのようなベタっとしたキャラ付けのおかげで、この映画が一本だ観るのに耐える作品にもなってますけどね。
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