Joker

猿の惑星:新世紀(ライジング)のJokerのネタバレレビュー・内容・結末

3.6

このレビューはネタバレを含みます

人間と同様の知性、そして人間に頼らないエイプ(猿)としてのアイデンティティを得たチンパンジーのシーザーが仲間とともに人類に反旗を翻し、ミュアウッヅの森に逃げ込んでから10年後……。
1人の感染者から始まったALZ113ウイルスによる感染症、通称猿インフルエンザは地球規模の感染を引き起こし、死亡を含む重篤患者を生むパンデミックとなった。各国の検疫体制は役に立たず、パニックと混乱のうちに人類は数を減らし、お互いの殺し合いに発展し、人類による文明は崩壊した。
一方、高い知能を手に入れた猿達は、シーザーが定めた「エイプ(猿)はエイプを殺さない」という掟の下でミュアウッズの森の奥に集落を築き、互いに助け合う平和な生活を送っていた。猿達の生活はシーザーの敷いた教育により、チームプレーでの大規模な狩りや、手話アメスラン・アルファベット・口頭を交えた高度なコミュニケーションが可能なほどにまで発達しつつあった。
そんなある日、猿達の集落に武装した人間が侵入し、巡邏していた猿に怪我を負わせるという事件が勃発。偵察隊の報告からゴールデンゲートブリッジを渡った先のサンフランシスコのダウンタウンの一角の建築半ばにて放棄された高級ショッピングモールと摩天楼に、人間の集落が存在する事を知ったシーザーは軍勢を率いて人間の集落へ赴き、「エイプは争いを望まない。二度と近づくな」と互いの不可侵を宣言して去る。馬に乗り、言葉を使う猿達の姿を目の当たりにし、人間達は驚愕することとなる。
それでもなお再び侵入してきた人間の一人マルコムを捕え、事情を尋ねるシーザー。実は、猿の集落内に水力発電施設があり、燃料が尽きかけていた人間達はどうしてもそれを使用可能にする必要があった。知性を持った猿達との開戦を考えるドレイファスの意見に対し、三日間だけの猶予を与えられたマルコムは、作業許可を得る為に技術チームと猿の集落を訪れたのだった。
事情を汲んだシーザーは悩みつつも、「弱っている今こそ人間を殲滅するべきだ」というボノボのコバからの進言を退け、マルコム達に水力発電施設での作業を許可する。作業中の崩落事故や、禁止したはずの銃の持ち込み発覚、シーザーに反発したコバの乱入などのトラブルに見舞われつつ、マルコムの真摯な態度を信じたシーザーら猿の協力もあって、マルコム達は作業を完了し人間のコロニーへ電力を供給する事に成功した。
一方、かつて実験動物として虐げられた恨みから人間を信じる事が出来ないコバは、自身の提案が却下された事をきっかけにシーザーへのクーデターを画策する。人間から盗んだライフルでシーザーを狙撃したコバは密かに猿の集落に火を放つと、一連の行動を人間によるテロ攻撃としてでっちあげ、シーザーの代理リーダーとして実権を掌握。シーザーの息子ブルーアイズをはじめとする雄猿達を扇動し、人間の集落に対する戦争を仕掛けてしまった。フォードポイントにあったかつての軍の武器を奪った猿達の攻撃に対し、ドレイファスら人間達も反撃するが、怒りに燃え、数と勢いで勝る猿達には敵わず、あっという間に制圧された。その結果、人間達の多くが捕虜として囚われる。猿による人間の支配が始まったのだ。
マルコム達に助けられたシーザーが手術の為に運び込まれた先は、パッシフィックハイツにあるかつて彼が育て親のウィルと幸せに暮らした家だった。だがそのウィルももうここにはおらず、廃墟と化している。マルコム達による弾丸摘出手術を受け、シーザーは一命を取り留める。シーザーはウィルとの思い出に浸りながら重要な決断をする。偶然、マルコムと遭遇したブルーアイズはシーザーの生存を知った事でコバから離反、シーザーの指示に従い囚われの人間と仲間を解放し、コバを止めようと奔走する。
コバ達が占拠した摩天楼に到達したシーザー達。シーザーは群れの主導権を取り返し争いを収める為、暴走するコバに直接対決を挑む。手負いのシーザーは苦戦しつつも、仲間の猿達に銃を向けたコバを取り押さえ、なんとか勝利を収める。「エイプはエイプを殺さない」と命乞いするコバだったが、一線を踏み外した彼をもはや生かしておくわけにはいかなかった。シーザーは「コバはもはやエイプではない」と突き放し粛清する。
猿同士の闘争を終えたシーザー。しかしドレイファス達が呼び寄せた人間の軍隊が接近しつつあり、猿と人間の全面戦争はもはや回避不能な状況へと進んでいた。「War was already started」と言って、マルコムとの新しい絆に別れを告げたシーザーは、この闘いがエイプが種として生存するための闘争であると自覚し、勝利への決意を燃やす。
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