J四郎

猿の惑星:新世紀(ライジング)のJ四郎のレビュー・感想・評価

3.7
猿の惑星リブートだか前日譚だかの第二作目。
おサルのリーダーであるシーザーは引き続きアンディ・サーキス。監督は今度のバットマン映画を担当するマット・リーヴスに変わっておりますな。

前作の大脱走から10年後の世界。猿インフルで人類の文明は崩壊に至っております。こんなわずかな年数で世紀末世界になるとはコロナの比じゃありません。シーザーたちエイプ族はこの間に道具を使って狩りをしたり、都市まで築き上げている。

そんな彼らのテリトリーに電力源を求めて人間がゾロゾロやって来ます。前ので酷い目に遭ったので警戒し敵意もむき出し!もちろんシーザーは理知的なリーダーなので無駄な殺生はしません。人間側にも共存を訴えるナイスガイもいる。そんな危うい関係性での電源復旧ミッション。

しかし中には憎しみをこらえきれないヤツが両陣営にいます。彼らも心の傷を抱えていて一概にワルとは言えませんが。特におサル側で前作でシーザーに助けられたコバって片目が物語をかき回してくれます。そんな人間ドラマならぬエイプドラマ(?)が展開される。
こんな状況下でも相手を許せる者こそ本当の強者に思えてくる。

やがて当然ながら戦争が起きてしまいます。今回は人類側の優位性が大きく後退しているので、おサルたちの身体能力は脅威となる。モンキーアクションというか彼らに襲われたらゾンビよかずっとコワイです。

今回はドラマ部分に見応えがあった。でも、ライバルキャラが最終的に小悪党っぽく終わったのは残念。コイツをもっと重厚かつ多面的に描いてくれていたらX-MENのマグニートーっぽくイケたかも?そうすりゃアレのようにキング牧師とマルコムXの対比で唸るような物語になったのにな。
そして続編で互いの正義をぶつけ合って最終決戦!・・なら個人的に好みだった。

それにしてもシーザーは見事な指導者。もしおサルに被選挙権があったなら彼に投票します。
J四郎

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