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ソロモンの偽証 前篇・事件のkunicoのレビュー・感想・評価

3.7
原作未読ですが、じっとりと深いところに落ちてくる感じの映画だった。

出てくる中学生みんなキャラが濃いし、それにちゃんと役者さんが応えていて面白く観ることが出来た。
主演の藤野さんの落ち着きというか、いつまでも聞いていたい声色というか、凛とした佇まいは何だか最近の女優さんには無いものの様な気がして凄く惹きつけられました。

そして大出を演じた清水くんね!!これからが期待!!「渇き。」のいじめられっ子がこんな風に化けるなんて衝撃です。

ジュリちゃんの破壊力も印象的。
あんな笑い方するか!?
石井杏奈ちゃんってE-girlsなんですね〜
「ソレダケ」を観た時水野絵梨奈の演技に圧倒されたけど、このアイドルグループって歌とダンスだけじゃなくて良い女優さんの宝庫なんですね...!!
その点AKBより魅力的かも...

各家庭の対比がしっかりされてるのも見応えがある。
特に大出家からの松子家は家族の色が全く違って驚く。
そこにある空気みたいなものに共通点が本当に無いから、中学校ってこんなにも生まれ育った環境が異なる子供の集合体なんだな...!と感じてちょっと怖くもなった。
それでまた謎深いのが、死んだ柏木くんの家の様子が全く分からないんですよね。ここはあえて出さないんだろうけど、周りに比べると描写が極端に少ないから変に気持ち悪い。

そして、思春期の死にたいという短絡的欲求のリアルさ。
まだこの汚い世の中を知る前の綺麗な心の持ち主だからこそ傷つくことができる、変な言い方だけどそれは10代の特権だと思う。
自分も何気ない一言に信じられないほど傷ついたりしたかもなあ。
今となっては忘れてたり、何でそんなことで悩んでたんだろうとか思うけど、その当時の私にとっては死活問題。
大人からしたらバカみたいな考えかもしれないけど、死ぬということが頭をよぎる時期ってあると思います。

女子と女子の間にある、友達というよりも服従というか同性愛というか、何らかの執着心や羨望、束縛の存在。
この描き方もエグいですよね。既視感ある人間関係。
これも中学生という時代特有な気もするなあ。
それに、これって女の人じゃなくちゃ共感できないことかもしれない。
ここら辺は「小さな悪の華」とか「サーティーン」と似た感じ?
マルフォイと腰巾着たちの関係性とは明らかに一線を画すドロドロした女子の友情、みたいな。

中々観る側の痛いところをえぐってくる様な作品だけど、私はこの真正面から人間の嫌なところを映してるところが好きです。

唯一の癒しは主人公りょうちゃんの妹と弟!!かわいすぎる持って帰りたい!!!