三郎丸

ソロモンの偽証 前篇・事件の三郎丸のレビュー・感想・評価

3.7
原作は未読ですが、聞いたことない配役に期待しながら鑑賞!

お話は、
柏木卓也君という生徒が校舎から転落死した。
それは事件なのか自殺なのかという話を主人公と共に鑑賞者は追いかけるが、手書きの告発文(柏木卓也君はクラスのイジメっ子に殺害されたとの内容)が先生や生徒に届いて混乱を極めます。
問題の告発文を真面目っ子主人公が模擬裁判で真相を追求しようとするというなんとも奇天烈な話に(生徒が生徒を裁く…)なっていきます…

生前の柏木卓也君が、何かにつけて、
「見て見ぬふりは止めようと言うヤツが、最も偽善者で卑劣だ。」
という世の中の人全てに当てはまるやも知れぬであろうこの言葉を、主人公にぶつけ、
「逃げない」
と決意させ、建前やある種の大人な判断を一切拒絶して主人公は強い決意と共に突き進んで行く。

【大事な事から目を背け自分を誤魔化してないですか】
というテーマを根っこに、クラスメートの死をきっかけとし、登場する生徒がイジメや家庭内暴力という現実社会においても身近な問題に向き合います。

この国だけの問題ではありませんが、昔から外見的な部分や一風変わった人、力(気)の弱そうな人をイジメるというケースがあとを絶ちません。
イジメというものがなくならないのは、親子関係や人間関係の根本に問題があり、いつまでもなくならないのは本当の意味で是正されてきてない証拠だと感じています。

前編は、生徒達の問題部分をクローズアップ、後編の模擬裁判まで一気に観ようと決意したものの、全て見終えるまで約5時間かかる事が判明した途端にワタシの腰痛爆弾が痛み出し、あまりの痛さにコレはイジメなんじゃないかと錯覚しつつ後編へ…

永作博美の異様な過保護親っぷり&板垣瑞生の真面目っ子な感じがありつつも何処か陰のある存在は良かった。

その世代の人にはワカル方もいるかと思いますが、ワタシは本作観ている途中、懐かしの「中学生日記」を観てる錯覚に襲われました…
三郎丸

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