ゴロフキン

ファイ 悪魔に育てられた少年のゴロフキンのレビュー・感想・評価

4.0
 ファイ少年には父親が5人。5人は全員犯罪のエキスパート。その父親連中から日夜犯罪の英才教育を受けるという、ヤンマガとかで連載してそうな漫画チックなお話。えぇ、そういうの好きです。父親5人はそれぞれファイを溺愛。ファイも父親たちと良好な関係を築いていますが、自らのとんでもない生い立ちを知ったファイが突如反抗期突入! 父ちゃん連中冷や汗タラタラ、というのがざっくりとしたあらすじ。

 ファイの生い立ち部分はあまりにもえげつなさ過ぎ。よく考えたなー、脚本家。才能もあるが性格が相当ひねくれてないと出てこないぞ、こんなアイデア。多少ツッコミどころがあるような気もしますが、韓国映画ではそういうの一切考えないことにしてます。

 5人の父ちゃん連中はそれぞれ得意な犯罪の専門分野があって、車の運転が上手いのとか、銃器のスペシャリティ、ナイフ扱い担当、あとは忘れた。性格も優しいのや面倒見がいいのや一つの便器で一緒に立ち小便する(韓国にはあんな文化があるのか?)のとか、キャラ分けがしっかりしててとっても見やすい。そんな父ちゃん連中ですがリーダーのキムユンソクが怖すぎ!。笑わない、動じない、そして死なない。あの無表情は夢に出てくるレベル。ファイの生い立ちも悲惨ですが、この人の過去も強烈で下劣。5人の父親と同居してる母親担当の女性とも何やらワケあり風で、どんどんストーリーに引き込まれます。キムユンソクといえば『哀しき獣』の牛骨男が最高にぶっ飛んでて好きでしたが、こっちの何考えてんのか全然わかんない、静かに淡々と狂ってるキャラの方も同じくらい好きかなー。

 後半のファイvs父ちゃん連中はそれぞれがイイです。特に車運転担当のあの人のシーン。ネタバレなんで詳しく書かないけど、せっかくの愛されキャラだっつうのに下にあんなものまで用意しちゃうなんて、やるねー、韓国映画。やっぱ容赦ないです!(拍手)

 予想できないストーリー、かなりしっかりしたアクション、そしてキムユンソク。見どころいっぱい。スピード感もあってラストまで一気に見れます。結構というか、自分はかなり好きな映画でした。

 
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