けんさん

ファイ 悪魔に育てられた少年のけんさんのレビュー・感想・評価

4.3
韓国映画をこよなく愛されている方の高い評価に導かれてようやく鑑賞。

その方の評する通り、韓国映画の魅力がぎっしりと詰まった完成度の高い作品だった。

容赦ない激しくて残虐なシーンがあると思えば、それをかき消すような人間の愛憎の機微をしっかりと映し出すシーン、またその相反する両極端なシーンを上手く繋ぎ合わせるいくつもの伏線をはった脚本力には脱帽するしかない。

主役のファイを演じるジ・ヨングは当時まだ15歳と言うあどけなさを残す一方、狂気との葛藤を見事に演出して魅せる天才的な演技力は韓国国内の映画祭の新人賞を総なめにしたのも頷ける。

そして、ストーリーのキーマンであるソクテを演じたキム・ユンソク。その演技から滲み出る存在感は、この作品においても期待を裏切らなかった。やはり凄い役者である。

また白昼鬼と称する集団メンバーのキャストも、それぞれの役柄を上手く際立たせる演技が良かった。

まだそれほど韓国映画をたくさん観ているわけではないが、韓国映画が持つパワーやエネルギーに加えて、質の高いストーリー性に驚嘆するばかりだ。
けんさん

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