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マンデラ 自由への長い道のKのレビュー・感想・評価

マンデラ 自由への長い道(2013年製作の映画)
3.5
年末に南アを訪れたので、マンデラについて学ぼうと思い鑑賞。

アパルトヘイトの撤廃からまだ25年。訪れた南アの白人女性が、「街に黒人がいなかった時(つまりアパルトヘイトで居住地を隔離していた頃)が、犯罪もなく平和でよかった。」と平気な顔で言っていた。

差別を行ってきた当事国では、もしかしたら自国の黒歴史を学ばないのかもしれない。もしくは、本当に南アは白人の国だと思っているのであろうか。。

間違いなく現南アはもともと黒人の民族が住んでいた地域で、ほんの数百年前に欧州諸国が植民地化を進め、結果として今でも人口の10パーセントは白人。そんな南アはまるで、世界の縮図。少数派の白人が”頂点”に立ち利益を享受し、街には普通もしくはそれ以下の生活を送る大多数の黒人がいる。彼らは共存しているようで別の世界に住んでいる、そんな妙な印象を受けた。

元々原住民が住んでいた地域に移り住んだ欧米人達が作り上げた欧米風の街並み。アフリカ大陸で唯一豊かな国でありながら世界でも格差が一番大きい国の1つ。元々白人が原住民を度外視して白人だけのために富を築く体制を長いこと作り上げてきた南アは、法律が黒人に平等を認めただけで、彼らに本当の平等を与えるには至っていないし、それにはまだまだ時間がかかるように思いました。
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