モーガン元老院最高議長

トゥモローランドのモーガン元老院最高議長のネタバレレビュー・内容・結末

トゥモローランド(2015年製作の映画)
1.0

このレビューはネタバレを含みます

 トゥモローランドとはなんだったのか

 話が思ったよりも広がらなかったのはよくなかったと思う。冒頭で未来都市をチラ見せさせたせいで、「トゥモローランドってどんな世界だろう」というワクワク感も減り、都市にたどり着くまでの過程がとても長く感じた。

 それでいて都市に来たら来たで近未来的アイテムが大きく活躍することもなくあまりトゥモロー感を味わえなかったのも辛かった。ひみつ道具がなければ魅力的なキャラもいないドラえもん映画であった。

 かといってストーリーがいいかというと、夢に半端に現実を混ぜ合わせたことでなんともいえないものになっている。後半の対比のために描写されたであろう前半の現実パートが悪かったというわけではなく、むしろ前半がマシだった。それはやはりバッジに関する謎も残しつつ、「未来都市を目指す」という明確な目的が示されており、ちょくちょく強引な部分もあるが話の進みが分かりやすかったことがある。普通だった主人公がある日拾ったアイテムのせいで悪の組織っぽいのに狙われて、という良くも悪くもシンプルな展開である。
 
 そして冒頭でチラ見した未来都市を期待していると、絶妙にずれたものが出てくる。冒頭映像は少し昔に想像されていた未来を模した都市(古っぽいSF)であり、夢の国という感じでその雰囲気はとても良かった。しかし実際にそこへ来てみると、未来はなかった。というか未来を深く描写する前に、結局お決まりの地球の危機だとかに巻き込まれて、テンプレートな悪役が出てきて、その処理に追われている間に気づけば終了していた。

 トゥモローランドはなんなのかを考える作品ではなかった。結局この作品は「みんなで頑張って地球を守っていこう」という慈善団体のスローガンみたいな話に帰着するのであった。トゥモローランドはそのメッセージを伝える為のただの舞台であり、主役であるおじさんと女の子もそのメッセージの為の舞台装置であった。二人がどうなるのかなんてどうでもよかったのだ。近未来ガジェットを使って冒険するSFアドベンチャーや未来都市に隠された謎をとくミステリーを期待していた人にとっては楽しめなかっただろう。

 この映画を楽しめたという方はバッジを胸につけトゥモローの為に頑張ってほしい。