horahuki

REC レック4 ワールドエンドのhorahukiのレビュー・感想・評価

REC レック4 ワールドエンド(2014年製作の映画)
3.2
7月13日公開の『インサイド』(『屋敷女』リメイク)に向けて♫

『インサイド』で脚本を担当しているジャウマバラゲロ監督の代表作と言えるPOVゾンビ映画『REC』シリーズの最新作。ジャウマ監督は、現代スペインホラーの第一人者的な立ち位置になって来た感じがしますね。

ちなみに今月は、カリコレで監督の新作『ミューズ』が公開されます。WOWOWでも放送があるようですが、私は契約してないので見れる方が羨ましい!

あらすじ…
過去作の生き残りであるアンヘラが連れてこられたのは大型船。そこでは医師たちが秘密裏にとある研究をしていた。船内は厳重に隔離された空間であり、感染者は皆無。…のはずだったが、突如平穏を破り感染者が現れる。いったい船内で何が行われてるのか…という話。

サイドストーリー的な立ち位置だった前作の『REC3ジェネシス』の流れを無視せずに同一世界線での出来事だとして、しっかりと物語に取り入れるファンサービスは嬉しい限り。

前作からの流れで『REC』の特徴だったカメラ撮影によるPOVは本作でも完全無視し、船内という閉鎖空間でのゾンビ映画を通常視点により描いた作品となっています。POVを捨て去ることは前作でも叩かれてましたが、私的には無理にPOVにする必要は全くないと思ってるので全然アリ。1と2で既に『REC』としてのアイデンティティはしっかり確立できてるし、本作はその設定をしっかりと踏襲してるわけですからね。

全てを牛耳ってる医師連中に対して、何も知らされてない雇われ船員たち+主人公たちが不信感を徐々に募らせて行く。そして、その疑心暗鬼な負の感情が爆発するようなタイミングで発生するパンデミック。そこからはなぜアンヘラが無事だったのかのタネ明かしを絡めながら、船内にどんどん広まって行く感染者の手から逃れようと奮闘する主人公たちの様子が描かれます。

密室系モンスターパニックの王道を進みながらも終盤以降ちょっとしたツイストを挟みつつ、とあるキャラがまさかの大活躍をしたりと、意図的に王道からズラした展開が面白い。ただ海上であることをそれほど活かせていなかったのは残念。『ザ・グリード』っぽい方が好み。

そんな感じで面白いのですが、私的には3の方が好きでした。世間的な評価で言えば完全に本作の方に分があるように思いますがね。ジャウマバラゲロ監督よりパコプラサ監督の作風の方が私のツボに合ってるのだと思います。ついでに主人公もアンヘラよりクララの方が好き!(*^^*)やっぱり船外機<チェーンソーですな。

前作は製作陣の結婚観が色濃く反映されていたうえに、血まみれ花嫁チェーンソーに代表されるような尖った作風で冒険していて、『REC』シリーズとしてのマンネリ化を防ぐとともに楽しい作品に仕上がっていたと思います。一方、本作は過去作全ての流れを集約し、物語としても手堅い優等生的な作りでありながら、ラストを飾るには少し無難な作品になってしまったかな〜と思います。
horahuki

horahuki