りょう

バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生のりょうのレビュー・感想・評価

4.0
 エンタメ作品としてはそれなりのクオリティであるにもかかわらず、かなり酷評が目立ちます。個人的には好きな作品なので、無理やりツッコミどころを探しているようなレビューが多いのは、ラジー賞の4部門受賞が影響しているのかと思ってしまいます。
 この劇場版よりも評判のいいアルティメット・エディションは観ていません。前日談になる「マン・オブ・スティール」と「ワンダーウーマン」、後日談になる「ジャスティス・リーグ」を観てしまっているからかもしれませんが、この152分だけでも物語そのものも登場人物の心情もちゃんと理解できます。一般的に映画には説明的な描写が嫌煙されがちですが、この作品にだけそうしたものが求められている理由がわかりません。ダイアナがメタヒューマンの動画を再生するシーンは、普通なら「これ誰?」って思ってしまうはずですが、前後の展開でゾクッとさせられるハイライトですらあります。
 そもそもスーパーマンが登場している時点で物語のリアリティは期待できません。ここに登場するキャラクターをどのように活用するのかという意味では、主役の2人にすら悪人の雰囲気をまとわせて破壊・暴力と一般人の殺傷を描く脚本は、スマートにまとまったヒーロー映画のものよりも際立って秀逸です。
 劇伴を担当したHans ZimmerとJunkie XLはどの程度の共演だったのかわかりませんが、相変わらずのクオリティで、クライマックスのワンダーウーマンの登場シーンで使用されるIs She with You?は、かなりハマっています。
 ザック・スナイダー監督の作品には必ず賛否ありますが、DC Extended Universeではこの作品を一番に推したいです。
りょう

りょう