抹茶マラカス

バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生の抹茶マラカスのレビュー・感想・評価

2.0
ブルース・ウェインは激怒した。ウェインには正義は分からぬ。だが人一倍悪には敏感であった。この先1%でも悪になる可能性があるなら殺害を決意する一般人男性である。…お前が悪だよ、バカ野郎。ここまでバットマンの過去作を見てきたけど彼へのイメージが一気に最悪に近くなった。大体ブルースの理想、っていうかスーパーマンという神を倒し、悪がいなくなった世界におけるバットマンはスーパーマンと同じ存在になるわけで。本当に考え無しの酷い野郎だ。結局10秒話し合えば済む話になってやがるし。
 そしてそこまでをやるのが長すぎ。単純に長くて苦痛。MCUは長くても笑えるシーンで緩急つけてくれるのにずっとシリアス。その癖誰だよってやつが知らない奴らとなんかしている映像ばっかり。視線の散在といった前作の悪いところもひとっつも直ってない。しかも前作及び前半のスーパーマンも人殺しすぎ問題の決着が、戦う場所が無人島だから・荒廃した港だからセーフ、死ねば英雄ってなにそれ…
 ユニバース化構想の失敗がこの作品では顕著。明らかに制作順番を間違えていたせいだ。バットマンの単独作品をやって、なんだったらテロ小僧なんかもそこそこの良い役で出しちゃえよ。そしたら重みが変わってくるから。その上で、今度はバットマンとスーパーマンと正義とは何かを語りたいはずなのにジャスティス・リーグへの繋ぎが多すぎ。知識があるからまだ許せるけど一般客置いてけぼりすぎ。んでもって、ユニバース2作目にしてラスボス使いまわしってのも酷いよね。
 スーパーマンにバットモービルぶっ壊されてからの自宅帰還シーンとか好きなシーンはあるんだけども、擁護しがたいにもほどがある。
 あと前作でも書いたけど、国連みたいな枠組みで対処してほしいって思ったんだけど、よく考えたらゴッサムとかメトロポリスとか、DCの架空世界だとその辺どうなってるの?