Kaoru

イヴ・サンローランのKaoruのレビュー・感想・評価

イヴ・サンローラン(2014年製作の映画)
3.4
21歳といぅ若さでディオールのメゾン責任者になり壊滅的な経営を救ったイヴ(ピエールニネ)。

ストーリーはイヴの恋人だったピエール(ギョームガリエンヌ)の語り口で進めらている。それだからか、事実を淡々と連ねるより、何倍も愛がこもっていて人間臭さがいい。時代も職業も違うけれど『マラノーチェ』にとてもよく似ていると感じた。

多くの方がおっしゃっておられるよぅにイヴ役のニネ君がとても綺麗でうっとり。
若かりし頃のイヴにそっくりという意見もありますが、それもそのはず。ニネ君はこの作品のためにイヴの話し方、歩き方など研究し他のですって。作中出てくるデッサンのシーンも全てニネ君ご本人だと言うからすごい。実の恋人だったピエールご本人ともお話したり、ここまでひとりの役に成り切って演じている気概が素晴らしいじゃないですか。

人々の想像を超える作品を常に求められ、文字通り身を削ってものを生み出すことの苦労や重圧なんてアタシたちが簡単に想像できることではない。それをドラッグによって精神バランスを取るしかなかった彼を簡単には非難できないなぁと思ってしまう。

華やかな世界の、派手な生き方をした人間の暗く重い一面、そんな作品です。
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