しめじろー

バウンドのしめじろーのレビュー・感想・評価

バウンド(1996年製作の映画)
3.8
開始早々の濃厚な百合シーンで、とんでもないもん見ちゃったと思ったけど、話が本筋に入ると、息つく暇もない上質サスペンスにぐいぐい引き込まれました。ジーナ・ガーションかっこよすぎない?これは新しい世界を開いても仕方ない…。
マフィアの愛人であるバイオレットの元に、配管工としてやって来たコーキー。互いに惹かれ合った2人は、今の生活から抜け出すため、マフィアから大金を奪い取ろうと暗躍するのですが…
誰の計画もうまくいかず、二転三転するストーリーがおもしろい。誰の手からも離れてどんどん転がる展開は全く予想がつかず、終始ハラハラさせられます。そんな中、なんとか運命の糸を手繰り寄せて主導権を握ろうとするバイオレット。そう、主役はバイオレットなんです。電話でコーキーに助けを求める弱さと裏腹に、彼女のしたたかさはまさに女のそれですね。
女側が弱さを露呈し合うことで強くなり、男側は強さを誇示し合うことで弱くなっていくのもおもしろい。とはいえ、女万歳フェミニスト映画では決してなく、純粋にかっこいいもん見たなあって感じです。最後は若干ライトに終わるものの、脚本も演出も素晴らしく、とても良作。なんとなく午後ロー向きなイメージがあるのでばんばん放送してほしいですね。