恭介

ゾンビ/ダリオ・アルジェント監修版の恭介のレビュー・感想・評価

4.5
ナイト・オブ・ザ・リビングデッド
ドーン・オブ・ザ・デッド
デイ・オブ・ザ・デッド

夜、夜明け、昼間からなるゾンビ映画の金字塔にして元祖となる三部作を撮ったキング・オブ・ゾンビのジョージ・A・ロメロが亡くなった。

2作目となる本作のドーン・オブ・ザ・デッド、邦題ゾンビをテレビで観た時の衝撃はいまだに忘れない。
なんなんだ?こいつらは?青白い顔でフラフラと人間を追う見た事もないキャラクター。正直、最初は滑稽だった。逃げれるじゃん、捕まる奴はアホじゃん(笑)みたいな。

しかし、そんなバカにしてた自分の顔からニヤついた表情が消えるのに10分もかからなかった。

こいつら、怖ぇぇぇーっ!(笑)

そして中盤から舞台をショッピングモールに移しての対ゾンビ、対人間、そして対仲間の畳み掛ける展開。
消費社会を象徴するショッピングモールを舞台にして痛烈にその当時の世相を皮肉ったメッセージ性をもつ、というのは後々、本を読んで知った事で、そんな事を考えなくてもエンターテイメント映画として今観ても全く色あせていない。

そんな傑作を産み、その後、雨の後のタケノコのようにA〜Z級のあらゆる模倣出演作品がいまだに続いているキャラクター、ゾンビの定義を確立した功績は言葉では言い表せない。

ゾンビがいないホラームービー界なんて
想像がつかない。ロメロがいなかったらひょっとしたら多分、ウォーキング・デッドは創られていないだろうし、本作を大胆にリメイク?した作品で鮮烈にデビューしたザック・スナイダーもどうなったてたかわからない。死霊のはらわたで盛大な人体破壊を観て笑う経験も出来てないかも。

それだけ今現在、活躍している映画作家達に与えた影響は計り知れないものがある。

三部作以降も精力的にリビングデッドシリーズを撮り続けたロメロ。まだまだもっと構想があったに違いない。

少し休んでから、現実できなかった構想を
あちらの世界で撮って欲しい。
リアルなエキストラに困る事はないだろう。実際の撮影の時のように、みんな嬉々としてゾンビを演じてくれるはず。
リビングデッドと言うより、リアルデッドだなぁ〜と笑っているロメロが目に浮かぶ。お疲れ様でした、ありがとう。

合掌。
恭介

恭介