せびたん

シネマ歌舞伎 大江戸りびんぐでっどのせびたんのレビュー・感想・評価

1.4
♪♪えどっ、大江戸リビングデッド♪♪
♪♪なんかー食わせろリビングデッド♪♪

という歌が耳に残る映画。
歌舞伎+ゾンビに惹かれて観てしまった。

ちなみにシネマ歌舞伎というのは劇場で上演された歌舞伎を映像で記録したものでした。他のも見てみたくなってるものの、歌舞伎とゾンビの出会いには斜め上な不幸な結末が待ってました。

まず理屈の上ではおもしろいのだけれど感情に訴えてこないっていう。おもしろいことやってるんだなと頭では思うものの私の中では笑いという唐突な感情の変化にまったく繋がらない感じ。前に歌舞伎を見たときはもっと楽しかったのにな。まあこれは私の体調というか状態のせいかもしれない。

しかし歌舞伎役者さんの洗練された・鍛錬された・無駄のない動きは満喫できました。刀の扱い方なんかも、ほんとにかっこよかった。動きがアート。しかもゾンビの動きやメイクをものすごく研究してるのが分かるのでゾンビ好きな私には熱かったです。歌舞伎役者さん、すげー。

そういう収穫はあったものの、ゾンビを集めて危険な仕事や単純労働に従事させるからといって、「これからはゾンビ改め派遣と呼ぶっ」というのはどうなんだろうか。また、喋れないゾンビが人間並に喋れるようになる過程の中で、まだうまく喋れないゾンビの喋り方を身障者っぽくしつこく演出してたのも不愉快だった。

普通の古典的な歌舞伎観たほうがよかった。




«追記:派遣のくだり»
この映画のゾンビは感染タイプで噛まれたら伝染るタイプだけど人の言うことは分かるという設定。そして訓練すれば読み書きもできるようになるという設定。

こいつら死んでるけど人の言うことは分かるから、ちゃんと躾すれば単純作業や危険なこととかやらせられるだろう。死んでるから金やらなくてもいいので安く使えていいじゃないかという話になってゾンビの元締をやる人が決まる(ここまでストーリー的に必然性あり)。

ここからなぜかゾンビじゃなくて違う名前を考えようという話になって、役人や元締や町人たちが考えた結果、唐突に「派遣」に決まる。
せびたん

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