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ジャージー・ボーイズのadeamのレビュー・感想・評価

ジャージー・ボーイズ(2014年製作の映画)
3.0
ブルーアイドソウルの代表格フォーシーズンズの結成とその後の活躍を描いたヒットミュージカルをイーストウッドが相変わらずの早撮りで手がけた音楽映画。
音楽に造詣の深いイーストウッドだけにその使いどころを良く心得ており、初のヒット曲を手にするまでに1時間かけてじっくりと下積み時代を描いています。
そして栄光の時代をヒット曲の数々と共にあっさりと駆け抜けた後は、公私のトラブルに見舞われるパートをしっかりドラマとして見せています。
この構成によってラストに待つ最も有名な曲の誕生がドラマチックになり、能天気に思えたラブソングを見事に意味のあるものにしています。
ショービジネス界での苦労と成功、メンバーとの結束と衝突、家庭内でのトラブルとこの手の伝記映画の定番の内容で目新しさには欠けましたし、イーストウッドらしい重苦しいドラマは見られないのですが、職人監督のように手堅く楽しめる内容を軽やかに撮りあげることもできる手腕は自身のプロダクションでB級作品を多く手がけてきた経験の成せる技のような気がしました。
ただ、観客に語りかける演出は前半の下積み時代においてはテンポを生み出してくれて良かったのですが、ラストはさすがにクドかった気がしました。
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