ジャージーボーイズ（フォーシーズンズ）
皆さんは、このステージングを見てどう思うのだろう、古くさいと思うだろうか。
今大人気のブルーノマーズ。私も大好きなバンドですが、彼らはまさにこの流れを汲むバンドだと思います。
キチンとしたステージ衣装に身を包み、ボーカルを頂点にピラミット型のフォーメーションでユニゾンで動く演奏ステージング。ボーカルの歌唱力、其々の演奏力の質の高さは言うまでもなく、バンドが一体となってステージから飛び出して来る迫力。ブルーノマーズに限らずブラコンのバンドには珍しくないけれど、私はこれに究極にシビれるんです。
30年以上洋楽とは親しい生活をしていながら、名曲「シェリー」と「君の瞳に恋してる」は知っているものの、フォーシーズンズについてはあまり知りませんでした。
彼らの無名時代からフォーシーズンズを結成し有名になって行く過程は、長年幾バンドもの成り立ちを見てきた私にとっては、特に驚く内容ではなかったけれど、近代ポップス時代に入る前の「古き良き時代」の物語と言うだけでは語れない。
エンターテイメントの世界の裏と表、裏で何が有ろうとも、ステージでの一曲に全てをかけて観客を魅了する才能と情熱のほとばしり。それに感応する瞬間がひとつのパッケージとなって心に深く刻まれ人々の思い出になって残っている。
そういう語りきれない様々な事を、パステルセピア調の柔らかい画面に載せ、時折メンバーがカメラ目線で心情を語りかけると言うポップな手法で見せています。
ケツ顎熱血眉のクセの強い顔だち、リードボーカルのフランキーを演じたジョンロイドヤング。無名ながら味のある演技とどこか繊細な雰囲気を持つ彼の「君の瞳に恋してる」は圧巻でした。古いテレビの画面に若きイーストウッドをちらっと見せたりする茶目っ気も楽しかった。
ただ一つだけ気になったのが、お歳を召したフランキーのメイクはもうちょっと何とか出来たんじゃないかと思う。
