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ジャージー・ボーイズのスペクターのレビュー・感想・評価

ジャージー・ボーイズ(2014年製作の映画)
3.5

映画 『ニック オブ タイム』 をコメントアップした際、同映画で助演を務めていた “クリストファー・ウォーケン” についても触れたくなった。

古くは『007美しき獲物たち(1985)』『ラストマン・スタンディング(1996)』があるが、
比較的新しい『ジャージー・ボーイズ(2014)』を選んだ。 
いづれも、脇役ではあるが存在感は主役級である。

さて、本作、「アウトローもの」「刑事もの」から「社会派」を目指してきたクリント・イーストウッド監督が見逃す筈がないミュージカル『ジャージー・ボーイズ』を映画化したものである。

米ニュージャージー州の貧しい町ヴェルビルに育った4人組がその境遇を脱するため金もコネもない状態で歌手を目差すが、やがてはトップスターの座に就くというサクセスストーリー。

*フォー・シーズンズの下積み時代
*名ボーカリストのフランキー・ヴァリの登場。
*“フォー・シーズンズ” 名付けの由来。
*ヒット曲 “シェリー” の誕生。
など、見所満載であるが、一番極めつけは何と言っても
*フォー・シーズンズの地位を不動のものとした大ヒット曲
“君の瞳に恋してる(Can't Take My Eyes Off You)” の誕生悲話であろう。

フォー・シーズンズのキャスト
*フランキー・ヴァリ役:ジョン・ロイド・ヤング
*トミー・デヴィート役:ヴィンセント・ピアッツァ
*ボブ・ゴーディオ役:エリック・バーゲン
*ニック・マッシ役:マイケル・ロメンダ


この映画に登場する老練クリストファー・ウォーケン(71歳)は、若者相手に場違いのようであるが、なんのなんのこの街のマフィア ジップ・デカルロとしてこの映画の脇をがっちりと締めている。
クリント・イーストウッド監督がこだわったクリント流色彩を出すため、
フォー・シーズンズの陽の当たる面であるミュージカル調歌物語に、
フォー・シーズンズのあまり知られていない裏話を織り交ぜフォーカシングする際にクリストファー・ウォーケンの起用は欠かせなかったのである。

エンディングロールのあと、フィナーレ映像が用意されている。
ビルボード第1位の “おーわーら・ない(Oh, What a Night)” の曲に併せ、
キャスト陣、ダンサー陣がダンスステップで街中に現れる。
このとき、ウォーケンのオジサンも出てくるが、母親の影響で若いときからダンスも学んでいたこともあり、違和感なく溶け込んでいるのがいいね。

最期に、この映画の一番の見せ場は、
フォー・シーズンズが “君の瞳に恋してる” をパーティー会場ではじめて観客に披露する場面である。
鳥肌ものである!
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