J四郎

ジャージー・ボーイズのJ四郎のレビュー・感想・評価

ジャージー・ボーイズ(2014年製作の映画)
3.6
クリント・イーストウッドが手がけたミュージカル映画。
60年代のバンド、フォー・シーズンズを描いたもので、その栄光と挫折の軌跡を追っていく。

とはいえ、僕はこのバンド。かろうじて名前だけ知ってるだけでした。しかし劇中に流れるヒット曲はそのほとんどがどっかで耳にした事がある。まだ牧歌的雰囲気の漂うサウンドはなぜか懐かしい気持ちにさせてくれる。

出演者は知らん人が多いんだが、それが逆に先入観なく物語に入りやすくなっているかな。中には時限爆弾のよーなクズ野郎も含まれていて、引っ掻き回して盛り上げてくれます。

そいやクリストファー・ウォーケンがマフィア役で出演している。この人が出てくるとやはり画面が引き締まりますな。この話ではマフィアですらまともな人間に見えてくるのが不思議。芸の道は修羅地獄やな。

ストーリーは最初はイマイチかな?と思ってた。が、成功した後、崩壊がはじまると面白くなってくる。普通、こういう映画は成功して最高の状態でフィナーレを迎えるが、さすがはイーストウッド。ただでは終わらせてくれません。

特徴的な演出として、彼らは第四の壁をぶっ壊してくる。そう「デッドプール」や「フェリスはある朝突然に」みたいに観ているこちら側に語りかけてくるのです。状況説明として効果的に使われてるトコが上手い。

楽しいだけのミュージカル映画ではない、むしろ暗く辛い現実こそ描かれている印象。ミュージカル要素も少ないしな。確かによう出来た見やすい映画だけど、個人的にはイーストウッド作品としてチョイ薄味かな?
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