夫のニックがある日家に帰ると妻エイミーの姿がなく、誘拐されたとして警察に捜査を仰ぐ。
しかしニックには浮気相手がおり、妻に多額の保険金を掛けていた事実が明るみに。
このあらすじは単なる序章でしかない。
その後はそう来るかという展開に変化していく。
メディアに翻弄される人間への当たりはかくも簡単に証明される脆さ。
終盤には夫婦関係の抜け穴をまざまざと見せつけられる。
相変わらずデヴィッド・フィンチャーの演出は抜群の冴えを見せる。
冒頭のゴミ出しをしているだけで、こうも緊張感を感じさせるのはそうはない。
ベン・アフレックもまた軽薄な夫を演じているが、こういうどこか抜けたような役柄がなぜかはまる。
だがそれ以上にはまっているのが妻を演じるロザムンド・パイク。
夫に見せる顔とは違う顔を持つという役。
これだけやればそりゃ賞絡みになるだろうなという演技を見せる。
ラストの締めもまた上手く、絵空事にならない着地点には夫婦の人が見るとゾッとするだろうな。