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ゴーン・ガールのtoshのレビュー・感想・評価

ゴーン・ガール(2014年製作の映画)
4.0
2016.03.17
途中から“完璧なエイミー”が皮肉めいて聞こえて、最後には賞賛に似た響きを放っているように感じた。各シーンでの振る舞いや撮り方が巧妙に見ている人間を振り回す。凄まじい悪女だ。

計画の周到さと実行力に驚きながら見ていたが、心のどこかで安心している部分があり、そしてエイミーを憎めない。本当に彼女は彼の死刑まで望んでいたのか。終盤、落ち度の続いた彼女の計画からは、完璧な女性像とは裏腹の歪んで育った彼女の稚拙さが滲み出ているようだった。これは本当に彼女の描いた大きな“お仕置き”そのものだったのだと思う。
エイミーを恐れる事はない。
なんという事はない。浮気をすれば怒るし、夫婦仲も不信感が残る。そしてそれを時間が解決する。普通の結末だ。

いや、怖いわ。



22.05.11
再鑑賞
"That's marriage"
ぐさーっとくるな。
流れるようなクライマックス。後日談に留まらないエイミーの怪奇。たまらないよ。
ガール、と、アメイジングエイミーが皮肉めいて輝いている。
ベンアフレックの重さ、軽さ、誠実さ、堅実さ、そして、軽さ。なんと絶妙なバランス感覚。すごい演技力だ。彼にしかできないと思わせる適任。
ロザムンドパイクの怪演?快演?妖艶で、狡猾でどこか稚拙。このままでいいんじゃないかと思わされる。

印象操作って簡単…なのかな?

長い長い夫婦喧嘩を見せられて、案外身近に潜む危機を意識させる冷ややかなひとときとなった。
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