マヒロ

ゴーン・ガールのマヒロのレビュー・感想・評価

ゴーン・ガール(2014年製作の映画)
4.5
誰もが隠してるというか、知ってて気づかないふりをしているような、人間の恥部を抉り出したフィンチャーらしい底意地の悪い(ほめてます)映画。セリフやなんやら、いやにグサグサ突かれるなぁと思ってたら、原作者で脚本にもかかわっているギリアン・フリンが女性ということを知って深く納得。間違いなく男性と女性で観た後の感想が違ってくるだろうな、と思う。ミステリー映画ではあるけど、最後の方のある台詞から分かるように、本質は犯人捜しよりもっと別のところにあるんじゃないかなぁ。

上映時間は2時間半とちと長めだけど、このまま物語が収束していくのかな?と思わせておいて、いきなりその状態をひっくり返してくるような展開が何回もあるもんだから全然退屈しなかった。なんだか作り手の掌の上でもてあそばれてる感がすごくて、悔しいんだけど面白い。ものすごい嫌~な話なのにグイッと引き込まれてしまうのは『セブン』とかと同じ感じ。

ちらほらあるクスッと笑えるシーンも良かった。個人的にはベン・アフレックがグミをパクッと食べるシーンがお気に入り。

役者陣も、ベン・アフレックのポンコツイケメンっぷりははまり役すぎるし、ロザムンド・パイクもすごい上手かった。全然ノーマークだった、ベン・アフレックの双子の妹・マーゴ役のキャリー・クーンという女優さんもなかなか良い。僕も妹がいるからなのか、ヒリヒリした物語の中で、数少ない心の支えが妹ってのはなんか不思議と嬉しかったり。

まぁ、ここまで書いといて難だけど、どっかでネタバレを喰らう前に早く観てほしい作品。“衝撃作”の煽りは伊達じゃない!
@TOHOシネマズ海老名

(2014.196)[45]
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